LCPとは?表示速度が遅くなる原因や改善方法などを解説

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Taichi Kanemoto
July 5, 2025
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3 minute read

LCPは、ユーザーの満足度や検索順位に直接影響する重要な指標です。
Webサイトの表示が遅いとLCPが低下し、離脱率の向上やPV数の低下につながります。

そのため、LCPの改善はWebサイトを運営するうえで重要です。
しかし、専門用語が多く、どこから手をつければ良いか分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、LCPの基本から、表示速度が遅くなる原因・具体的な改善方法までをわかりやすく解説します。
本記事を読めば、専門的な知識がない方でもLCPを理解し、Webサイト改善に向けた第一歩を踏み出せるようになります。

また、サイトスピードの対策には弊社の画像最適化サービス「Imgix」がおすすめです。以下のボタンより、お気軽にお問い合わせください。

LCPの基礎知識

まず、LCPについて知るために基本的な知識から見ていきましょう。

本章では、LCPについて以下の事柄を解説します。

  • LCPの意味
  • LCPのスコア指標
  • LCPのブロック判定

LCPの概要について正しく理解することで、後の改善策がよりスムーズに進みます。

LCPの意味

LCPとは「Largest Contentful Paint」の略で、「ラージェスト・コンテントフル・ペイント」と読みます。
これはWebページが読み込みを開始してから、画面に表示される最も大きなコンテンツ(画像やテキストブロックなど)が描画されるまでの時間を測る指標で、「ユーザーがページの主要なコンテンツをどれだけ速く見られるか」を示す数値です。

LCPは、Googleが提唱するユーザー体験の質を測る重要指標群「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」の一種として扱われます。
LCPとCore Web Vitalsの関連性は以下のとおりです。

LCP(Largest Contentful Paint)
・読み:ラージェスト・コンテントフル・ペイント
・意味:ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間を示す指標。ユーザーが「表示された」と感じるまでの体感速度に直結する。

Core Web Vitals
・読み:コアウェブバイタル
・意味:Googleが定める、優れたユーザー体験を提供するための3つの主要指標(LCP・INP・CLS)で構成されるWebパフォーマンス評価の基準。

LCPのスコア指標

LCPのスコアは、ページの読み込み速度を評価するために秒数で計測し、Googleが3つのレベルに分類しています。

それぞれのスコア指標は以下のとおりです。

良好(Good)
・LCPスコア:2.5秒 以下
・状態:ユーザーは快適にページを閲覧できています。

改善が必要(Needs Improvement)
・LCPスコア:2.5秒 超 ~ 4.0秒 以下
・状態:表示速度にやや問題があり、改善が推奨されます。

不良(Poor)
・LCPスコア:4.0秒 超
・状態:表示速度が遅く、ユーザーの離脱につながる可能性が高い状態です。早急な改善が必要です。

自社サイトのスコアがどのレベルにあるかを確認することが、改善の第一歩です。

LCPのブロック判定

LCPはソースを複数のブロックに分け、そこから一カ所を検出するブロック判定によって計測されます。
LCPの計測対象となる「もっとも大きなコンテンツ」は、一般的に以下の要素です。

  • <img> 要素(画像)
  • <image> 要素(SVG画像内)
  • <video> 要素のポスター画像(動画のプレビュー画像)
  • 背景画像 (background-image) を持つ要素
  • テキストブロック(段落・見出し・リストなど)

上記のうち、ユーザーが最初に目にする範囲(ビューポート)内でもっとも大きいものがLCPとして計測されます。

LCPが重要な3つの理由

LCPのスコアを改善すべき理由は、大きく分けて以下の3つです。

  • UXに影響を与える
  • SEO評価を左右する
  • ビジネスへの影響

それぞれの理由について、順番に解説します。

UXに影響を与える

LCPはUXに影響を及ぼす要素です。

UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験を指します。

ページの表示が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、コンテンツを読む前にページを離れてしまう可能性が高まります。

LCPを改善し、ページの主要コンテンツを素早く表示することは、ユーザーの満足度を高め、サイトに長く滞在してもらうために不可欠です。

SEO評価を左右する

SEO評価を左右する要素としても、LCPは無視できません。

Googleは、ユーザーにとって価値のあるWebサイトを検索結果の上位に表示する方針を掲げています。

その評価基準の一つとして、LCPを含むCore Web Vitalsが採用されました。

そのため、LCPのスコアが悪いと、Googleからの評価が下がり、検索順位が低下する可能性があります。

ビジネスへの影響

LCPはビジネスにも影響をおよぼします。

LCPの低下は、単なる技術的な問題にとどまりません。
スコア指標が低下すれば、以下のような問題が生じます。

  • ユーザー離脱率の増加
  • SEO評価の低下による集客減
  • コンバージョン率(商品購入や問い合わせなど)の低下

上記はすべて、最終的に企業の売上やブランドイメージに直接的なダメージを与える可能性があります。
LCPの改善は、ビジネスの成長を支える重要な投資と捉えられます。

LCPが遅くなる5つの原因

LCPのスコアが悪化するのには、必ず原因があるものです。

本章では、以下の代表的な原因について解説します。

  • 画像などの表示速度が遅い
  • 無駄なコンテンツが多い
  • リソースの読み込み時間が遅延している
  • レンダリングブロックされている
  • サーバースペックが低い

自社のサイトがどれに当てはまるか、チェックしてみてください。

画像などの表示速度が遅い

画像などの表示速度は、LCPスコアに顕著な影響をおよぼします。

LCPの対象はもっとも大きなコンテンツであることが多いですが、それは高解像度のメイン画像である場合がほとんどです。

画像のファイルサイズが大きすぎたり、Web表示に適さない形式(例: BMP)だったりすると、読み込みに時間がかかりLCPが悪化します。

そのため、画像や動画などを大量に掲載しているWebサイトは容量を最適化しなければなりません。

無駄なコンテンツが多い

無駄なコンテンツが多いことも、LCPスコアが低下する要因です。

ユーザーが最初に目にする画面(ファーストビュー)に、多くの画像・動画・広告などが詰め込まれていると、ブラウザはそれらすべてを処理しようとします。

その結果、それぞれのコンテンツの読み込みが遅くなり、全体の表示速度が低下してしまいます。

画像・動画・広告などのコンテンツを過剰に掲載しないように注意しましょう。
LCPスコアを改善するなら、コンテンツを整理し、必要最小限に留めておくことも重要です。

リソースの読み込み時間が遅延している

リソースの読み込み時間の遅延は、LCPスコアの低下につながります。

これは、サーバーがブラウザからのリクエストを受け取ってから、最初のデータを送り始めるまでの時間(TTFB=タイムトゥファーストバイト)が長い状態を指します。

サーバー自体の性能や、サーバーで動いているプログラムの処理が遅いことなどが原因で発生する事象です。

リソースの読み込み時間を改善しなければ、LCPの向上は期待できません。

レンダリングブロックされている

LCPスコアを改善する際は、レンダリングブロックにも注意しましょう。

WebページはHTMLを読み込み、それにCSSでスタイルを適用し、JavaScriptで動きを加えて表示されます。

しかし、CSSやJavaScriptの読み込みが終わるまで、ブラウザがページの描画を中断してしまうことがあります。

これが「レンダリングブロック」であり、LCP悪化の大きな要因となるものです。

サーバースペックが低い

LCPスコアを改善するなら、サーバースペックの見直しも不可欠です。

安価な共用サーバーなどを利用している場合、サーバー自体の処理能力やネットワーク帯域が十分でないことがあります。

アクセスが集中した際にサーバーの応答が極端に遅くなり、結果としてLCPスコアが低下します。

サーバースペックの見直しは専門的な知識が求められる場面もありますが、LCPスコアを改善するうえで重要な取り組みです。

必要があれば専門家のアドバイスを受けつつ、積極的に実践しましょう。

LCPを測定できるツール3選

原因を特定し、改善効果を確認するためには、まず現状のLCPスコアを正確に測定する必要があります。

本章では誰でも無料で使える代表的なツールとして、以下の3つを紹介します。

  • PageSpeed Insights
  • Chrome DevTools
  • WebVitals

それぞれのツールについて順番に解説するので、実際に導入する際の参考にしてください。

PageSpeed Insights

PageSpeed InsightsはGoogleが提供するもっとも代表的なツールです。
以下の手順で利用しましょう。

  1. サイトにアクセスし、測定したいページのURLを入力します。
  2. 「分析」ボタンをクリックします。
  3. LCPを含むCore Web Vitalsのスコアや、改善のための具体的なヒントが表示されます。

初心者でも簡単に使えるため、まずはこちらで測定してみることをおすすめします。

参照:PageSpeed Insights公式サイト

Chrome DevTools

Chrome DevToolsはWeb開発者向けのツールですが、LCPの分析にも非常に役立ちます。
Google Chromeに搭載している機能であり、手軽に使える点が魅力です。

Chrome DevToolsは以下のように利用します。

  1. Google Chromeで測定したいページを開きます。
  2. F12キー(Macの場合は Command+Option+I)を押してDevToolsを開きます。
  3. 「Performance」タブを開き、再読み込みボタンを押すと、ページの読み込み過程が詳細に記録され、LCPの発生箇所などを視覚的に確認できます。

開発者・上級者向けのツールであり、より高度な対策を実施したいときに最適です。

参照:Chrome DevTools公式サイト

WebVitals

WebVitalsはGoogle Chromeの拡張機能の一種であり、閲覧しているページのLCPスコアをリアルタイムでアイコン表示してくれます。

競合サイトの調査や、日々のパフォーマンスチェックに便利です。

WebVitalsもPageSpeed Insightsのように使いやすいツールであり、日々LCPスコアの動向をチェックする際に役立ちます。

参照:Web Vitals公式サイト

LCPスコアを改善する8つの方法

LCPが遅くなる原因と測定方法がわかったところで、いよいよ具体的な改善策を見ていきましょう。

LCPスコアを改善するなら、以下の8つの方法が効果的です。

  • 画像の最適化
  • サーバー応答速度の向上
  • 継続的な改善サイクルの構築
  • キャッシュの活用
  • CSSとJavaScriptの最適化
  • CDNの導入
  • 遅延ロードの実装
  • ユーザー側のレンダリングの改善

いずれの方法も手軽に実践できるので、ぜひ試してみてください。

画像の最適化

画像はLCPの主な要因となりやすいため、最適化の効果は絶大です。
画像を最適化する際は、以下のような作業を行います。

適切なサイズにリサイズする
・表示したいサイズ以上の大きな画像を使わないようにします。
・無駄に大きい画像は読み込み時間や通信量を増やす原因となります。

画像を圧縮する
・専用ツール(例:TinyPNG、Squoosh など)を使って、画質をあまり落とさずにファイルサイズを小さくします。
・可逆圧縮/非可逆圧縮のバランスを見て選ぶのがポイントです。

次世代フォーマットを利用する
・WebPなどの新しい画像形式は、JPEGやPNGよりも高い圧縮率を誇ります。
・画像形式を変更するだけで容量の削減が可能です。

なお、画像を最適化する際はImgixの活用がおすすめです。

Imgixは画像の最適化を手軽に実践できるサービスであり、自動圧縮機能によって画質を保ったままファイルサイズを削減できます。
また、CDN配信によって画像の読み込み速度が向上するため、Webサイトのパフォーマンスの改善も期待できます。

Imgixの主な特徴として、リアルタイムでの画像変換機能があり、デバイスや画面サイズに応じて最適な画像を自動配信します。これにより、フロントエンドエンジニアは複数の画像サイズを事前に用意する手間が省け、マーケティングチームも素早いクリエイティブ展開が可能になります。

Imgixは、SEO評価やコンバージョン率の向上を実現するうえで効果的なサービスです。
適切に運用すれば、収益の向上を実現できる可能性が高まります。

世界中の企業が活用しているうえに、毎日80億枚以上の画像の配信に貢献するなど、大規模なトラフィックに対応できるImgixは非常に有用です。
LCPスコアの改善はもちろん、SEO評価の向上を目指しているなら、ぜひご活用ください。

サーバー応答速度の向上

サーバーの応答が遅い(TTFBが長い)場合は、サーバー環境の見直しが必要です。
サーバーの応答速度が向上すれば、LCPスコアの改善が期待できます。

サーバーの応答速度の向上は、以下の施策で改善が可能です。

高性能なサーバーへ移行する
・現在のサーバーのスペックが低い場合は、より高速なプランやVPS、クラウドサーバーへの移行を検討します。
・特にアクセス数が多いサイトやリソース負荷が高い処理がある場合は、顕著な改善効果が期待できます。

サーバー側の処理を高速化する
・WordPressなどのCMSを利用している場合、PHPのバージョンを最新にすることで処理速度が向上します。
・不要なプラグインの削除や、キャッシュプラグインの導入なども有効です。

キャッシュの活用

キャッシュの活用もLCPスコア改善に効果的です。

キャッシュとは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておく仕組みです。
以下のような対応をすれば、LCPスコアを向上させられます。

ブラウザキャッシュを設定する
・ユーザーが再訪問した際に、CSSや画像などの静的ファイルを再ダウンロードせずに表示できるようになります。
・その結果、ページ表示が高速化し、サーバーの負荷も軽減されます。

サーバーキャッシュを利用する
・サーバー側でページの表示結果を一時的に保存しておくことで、同じページへのリクエストに対して即座に応答できるようになります。
・特にアクセス数の多いページで有効で、表示速度と負荷分散の両方に貢献します。

CSSとJavaScriptの最適化

レンダリングブロックを防ぐために、CSSとJavaScriptの読み込み方を見直しましょう。
CSSやJavaScriptの最適化は以下のように行います。

不要なコードを削除する
・使われていないCSSやJavaScriptは、ページの読み込み時間を延ばす原因となるため、積極的に削除しましょう。
・特に外部ライブラリやテーマに付属する未使用のスタイルは、定期的な見直しが重要です。

ファイルを圧縮する
・CSSやJavaScriptファイルから不要なスペースや改行、コメントなどを除去し、ファイルサイズを軽量化します。
・GzipやBrotliによるサーバー側の圧縮と併用することで、通信効率も向上します。

重要なCSSをインライン化する
・ファーストビューに必要な最小限のCSSをHTML内に直接記述することで、レンダリングを迅速に開始できます。
・残りのCSSは非同期で読み込むことで、初期表示速度を高めることが可能です。

JavaScriptの読み込みを遅延させる
・defer属性やasync属性を用いることで、JavaScriptの実行タイミングを調整し、ページの描画を妨げないようにします。
・特に、初期表示に不要なスクリプトは後回しにすることで、UXが向上します。

CDNの導入

CDNの導入は、LCPスコアの改善だけでなく、Webサイトの運営を効率化するうえで効果的な取り組みです。

CDNとは「Content Delivery Network」の略で、世界中に分散配置されたサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。

ユーザーに最も近いサーバーから画像などのデータを配信するため、物理的な距離による遅延を減らし、表示速度を向上できます。

遅延ロードの実装

遅延ロードの実装も有効な方法です。

遅延ロード(Lazy Loading)は、画面に表示されるまで画像などの読み込みを遅らせる技術です。

ファーストビューにない画像に loading="lazy" という属性を追加するだけで簡単に実装でき、初期読み込み時のデータ量を大幅に削減できます。

ユーザー側のレンダリングの改善

ユーザー側のレンダリングの改善は、リソースの読み込み順序を最適化することで実現が可能です。

preloadと呼ばれる指定を使うと、ブラウザに対して「このリソースはすぐに必要になるから、優先的に読み込んでおいて」と伝達できます。

例えば、LCPの対象となるメイン画像や、表示に必須のフォントファイルなどをプリロードすることで、表示を早める効果が期待できます。

継続的な改善サイクルの構築

継続的な改善サイクルの構築は、Webサイトを最適な状態で維持するうえで不可欠です。

LCPの改善は、一度行ったら終わりではありません。
サイトの更新や外部環境の変化によって、スコアは再び悪化することがあります。

継続的にLCPスコアを向上させるなら、以下のような取り組みを実施しましょう。

定期的な測定
・PageSpeed Insights や Lighthouse、WebPageTest などのツールを使って、定期的に表示速度やスコアをチェックします。
・定点観測により、劣化や変化を早期に把握できます。

ボトルネックの特定
・スコアが悪化した場合、原因となっている画像・スクリプト・サーバー応答時間などを特定します。
・ツールの「改善できる項目」セクションが有効なヒントになります。

改善策の実施
・特定された問題に応じて、画像の最適化・コードの見直し・キャッシュの設定など、適切な改善策を実施します。

効果測定
・改善後、再度スコアを測定して効果を確認します。
・目標値(例:LCP 2.5秒以下、INP 200ms以下)に近づいているかを評価します。

上記のサイクルを回し続けることが、常に快適なWebサイトを維持する鍵となります。

まとめ LCPを改善してより良いWebサイトを実現しよう

本記事では、LCPの基本的な意味や重要性・遅くなる原因・具体的な改善方法までを解説しました。

LCPは、単なる技術指標ではありません。
ユーザーの満足度を高め、Googleからの評価を向上させ、ひいてはビジネスの成果にもつながる、非常に重要な要素です。

まずは、PageSpeed Insightsを使って自社のサイトの現状を把握することから始めてみてください。
加えて、本記事で紹介した改善策の中から、取り組みやすいものから試していくことで、Webサイトはより速く、より快適なものになるはずです。

また、サイトスピードの対策には弊社の画像最適化サービス「Imgix」がおすすめです。以下のボタンより、お気軽にお問い合わせください。