SEO対策におけるCDNの有用性|仕組みや導入メリットなどを解説

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by
Taichi Kanemoto
September 3, 2025
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3 minute read

自社のWebサイトを運用していくうえで、SEO対策は無視できないものです。
SEO対策を適切に実施するには、Webサイトの表示速度やUX(ユーザーエクスペリエンス)の改善など、さまざまな対策を講じる必要があります。

SEO対策を効果的に実施するうえで、CDNは有用なツールです。
CDNを導入すればコンテンツの最適化や表示速度の向上など、サイトパフォーマンスを改善する効果が期待できます。

本記事では、CDNとSEO対策の関係について解説します。
導入するメリットに加え、CDNを運用するうえで理解しておくべきポイントなどについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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CDNとは

CDNとは、「Content Delivery Network(コンテンツデリバリーネットワーク)」の略称です。
Webサイトに掲載されている画像や動画などのコンテンツを最適化し、世界中に分散配置されたキャッシュサーバーにキャッシュすることで、表示速度の最適化を実現します。

また、多くのCDNはセキュリティ対策にも力を入れています。
そのため、CDNを導入するだけでWebサイトのセキュリティの強化が可能です。

CDNの仕組み

CDNは、ベンダーが世界中に設置したサーバーで構成されたネットワークを活用することで、Webサイトを高速化する仕組みです。

CDNが設置しているサーバーは、大きく分けてオリジンサーバーとキャッシュサーバーがあります。
それぞれの違いは以下のとおりです。

  • オリジンサーバー:Webサイトの元となる全データが保管されているサーバー
  • キャッシュサーバー:オリジンサーバーのコンテンツのコピーを一時的に保存しておくサーバー

CDNはユーザーの一番近くにあるキャッシュサーバーからコンテンツを配信することにより、スピーディーなコンテンツの配信を可能とします。

SEO対策とは

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」を意味する用語です。
Googleなどの検索エンジンで、自社のWebサイトをより多く、より上位に表示させるための一連の施策を指します。

SEO対策はただ良質なコンテンツを作成するだけでなく、サイトの表示速度や構造といった技術的な側面にも配慮して実施する必要があります。

近年、検索エンジンはUXを重視するようになりました。
2021年には、GoogleがWebサイトの健全性を示す指標「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」をランキング要因に組み込んでいます。

Googleの指標は、LCP(ページの読み込み速度)・INP(インタラクティブ性)・CLS(視覚的な安定性)を評価しています。
これらの指標を改善するうえで、Webサイトのパフォーマンスを向上できるCDNの導入は有効な手段です。

Core Web Vitalsの詳細については下記記事もご参照ください。

コアウェブバイタルとは?指標・SEOとの関係性・対策を徹底解説!

SEO対策における3つの基本的な施策

SEO対策の基本的な施策は、以下の3つです。

  • コンテンツ施策
  • 内部施策
  • 外部施策

いずれの施策もSEO評価を向上するものであり、CDNと密接な関係があります。

本章では、それぞれの施策について解説します。

コンテンツ施策

コンテンツ施策は、ユーザーが求める情報を提供し、その満足度を高めることを目的とした施策です。

良質なテキストはもちろん、さまざまな画像や動画は、コンテンツの価値を大きく高めます。
しかし、メディアファイルはデータ量が大きく、ページの表示速度を低下させる主な原因になりかねません。

CDNは、画像や動画をユーザーのもっとも近くにあるサーバーから配信することで、読み込み時間を大幅に短縮します。
さらに、高度なCDNサービスを利用すれば、デバイスやネットワーク環境に応じて最適なフォーマットやサイズに画像を自動で変換・配信できます。

内部施策

内部施策は、Webサイトの土台を技術的に整え、検索エンジンがコンテンツを正しく理解し、評価しやすくするための対策です。
サイトの表示速度・モバイルフレンドリー・適切なHTMLタグの使用・クローラーが巡回しやすいサイト構造の実現などが施策として挙げられます。

内部施策においても、CDNが効果的です。
CDNサービスは表示速度を改善するだけでなく、各デバイスに合わせてコンテンツを最適化するなど、モバイルフレンドリーに適応したものもあります。

また、オリジンサーバーへの負荷を軽減することで、サーバーの応答時間を短縮し、サイト全体の安定性を高める効果もあります。

外部施策

外部施策とは、自社サイト外からの評価を高めるための施策です。
主に質の高い被リンクを獲得するために実施されます。

CDNによるWebサイトの高速化と安定稼働は、間接的に外部施策をサポートします。
表示が速く、常に安定しているサイトは、ほかのWebサイト運営者から「信頼できる情報源」として認識されやすくなるためです。

CDNによってWebサイトのパフォーマンスを向上できれば、コンテンツが引用されたり、リンクされたりする機会が増える可能性が高まります。
また、CDNが提供するセキュリティ機能はDDoS攻撃などを防ぐため、ブランドの信頼性の維持にもつながります。

SEO対策でCDNを導入するメリット

SEO対策でCDNを導入するメリットは以下のとおりです。

  • コンテンツの最適化による表示速度の向上
  • サーバーの負担軽減による読み込み速度の改善
  • モバイル対応強化とマルチデバイス対応

いずれもSEO対策の改善に関連したメリットです。

コンテンツの最適化による表示速度の向上

CDNはコンテンツの最適化によって、Webサイトの表示速度を向上する効果が期待できます。
表示速度の向上において、CDNがもたらす効果は以下のとおりです。

  • 画像のサイズやフォーマットの最適化
  • HTML・CSSなどのコードの圧縮
  • 動的コンテンツの高速化

CDNによるコンテンツの最適化はLCP(Largest Contentful Paint)を改善し、SEO評価を向上する効果が期待できます。
また、CDNサービスによっては最適化を自動で実施するため、管理側の作業負担を軽減できる点も魅力です。

なお、コンテンツの最適化はUXの向上にもつながる取り組みです。

表示速度が高速化すると、ユーザーの定着率の向上が見込めます。

その結果、コンバージョン率が上がりやすくなり、企業の収益の増加につながります。

つまり、CDNを利用してコンテンツの最適化はSEO対策だけでなく、収益の向上を目指すうえでも有効です。

サーバーの負担軽減による読み込み速度の改善

Webサイトへのアクセスの大部分をCDNのエッジサーバーが処理することで、オリジンサーバーへの負荷の軽減が可能です。
CDNは世界中に分散されたサーバーネットワークであり、ユーザーにもっとも近いエッジサーバーがコンテンツをキャッシュし、配信します。

そのため、オリジンサーバーは直接アクセスを受ける回数が減り、本来の役割であるコンテンツ生成やデータベース処理にリソースを集中できます。
その結果、Webサイトのパフォーマンス向上だけでなく、サーバーの安定運用も可能です。

また、サーバーの負荷が軽くなれば、ブラウザがサーバーから最初の1バイトのデータを受け取るまでの時間(TTFB)が短縮されます。
TTFBはサーバーの応答速度を示す重要な指標であり、この時間が短いほど、ユーザーはページの読み込みが速いと感じ、Webサイトの利用体験が向上します。

TTFBの短縮はSEO評価にもつながる要素です。
検索エンジンのクローラーはWebサイトの速度を評価基準の一つとしており、TTFBが短いほど検索順位が上がりやすくなります。

なお、CDNの導入は、特にアクセスが急増した場合に効果を発揮します。
例えば、キャンペーンなどでWebサイトへのアクセスが予想以上に増えた場合、オリジンサーバーだけでは処理しきれず、サーバーダウンが発生する事態になりかねません。

CDNを導入していれば、エッジサーバーがアクセスを分散処理するため、オリジンサーバーへの負荷を軽減し、サーバーダウンのリスクを大幅に低減できます。
これにより、機会損失を防ぎ、安定したWebサイト運用を実現できます。

モバイル対応強化とマルチデバイス対応

CDNはモバイル対応強化や、マルチデバイス対応を目指すうえでも欠かせないツールです。Googleはモバイルファーストインデックスを導入しており、モバイルユーザーへの最適化はSEO対策において重要視されています。

モバイルユーザーはPCユーザーよりも通信環境が不安定なことが多く、サイトの表示速度がより厳しく評価されます。
そのため、モバイルユーザーに快適な体験を提供することが、検索順位を上げるために不可欠です。

CDNは、コンテンツを世界中のサーバーに分散配置することで、ユーザーにもっとも近いサーバーからコンテンツを配信し、表示速度を大幅に向上させます。
さらにデバイスに応じた画像の最適化や、ネットワーク環境の検知による圧縮率の調整などが可能です。

これにより、低速なネットワーク環境下でも、高速で快適な表示を実現できます。
モバイルユーザー体験の向上は、直帰率の低下・滞在時間の増加・コンバージョン率の向上につながります。

モバイルファーストの時代において、CDNの導入は単なるオプションではなく、SEO対策において必須です。
高速かつ、快適なモバイルユーザー体験を提供することで、検索順位を向上させ、ビジネスの成功を実現できます。

SEO対策でCDNを導入する際のポイント

CDNの導入を成功させ、SEO効果を最大限に引き出すためには、以下のようなポイントがあります。

  • 自社のサイトに合わせてサービスを選ぶ
  • キャッシュ設定を最適化する
  • 費用対効果は常に計測する

CDNはただ導入するだけでなく、自社の目的やWebサイトの特性に合わせたサービス選定と、適切な設定・運用を意識しましょう。

自社のWebサイトに合わせてサービスを選ぶ

CDNサービスは自社のWebサイトに合わせて選びましょう。
CDNは数多く存在し、それぞれに特徴や強みがあります。

自社のWebサイトの規模・ターゲットユーザーの地域・必要な機能・予算などを総合的に考慮して、最適なサービスを選ぶことが重要です。

昨今のCDNは無料で利用できるフリープランがあるなど、導入のハードルが低いサービスが多くあります。
まずは無料で登録し、サービスの使用感や機能をチェックしておけば、導入後のトラブルやアクシデントを回避できます。

なお、CDNの料金設定はサービスによって異なるので注意しましょう。

定額の月額料金を設定しているベンダーもあれば、従量課金制を採用しているベンダーもあります。

従量課金制だと、使用頻度に応じて料金がかかるため、想定以上に金銭的な負担が増加するリスクがあります。

費用対効果を見極め、適切なCDNサービスを選びましょう。

キャッシュ設定を最適化する

CDNを適切に運用するなら、キャッシュ設定を最適化する必要があります。

キャッシュ設定を誤ると、情報が更新されなかったり、個人情報や管理画面などがほかのユーザーに見えてしまったりするトラブルを引き起こすリスクがあります。

そのため、「何を」「どれくらいの期間」キャッシュさせるかを慎重に設定しましょう。

また、コンテンツ別のキャッシュ設定にも配慮しましょう。

  • 静的コンテンツ:画像・CSSなど。数週間~数カ月程度の長期間のキャッシュが理想
  • 動的コンテンツ:検索結果・ショッピングカートなど。ごく短時間のキャッシュ、あるいはキャッシュさせないのが理想。
  • 更新頻度が高いコンテンツ:数秒~数分程度のごく短時間のキャッシュが理想。キャッシュ時は手動でクリアする。

キャッシュ設定が適切でないと、重大なキャッシュ事故に発展し、自社への信頼を損なうリスクが高まります。

費用対効果は常に計測する

CDNを適切に運用するためにも、費用対効果は常に計測しましょう。
投資したコストに見合う効果が得られているかを定期的に測定し、評価することが重要です。

費用対効果は、技術的指標・ビジネス的指標の双方から計測しましょう。
それぞれの指標の詳細は以下のとおりです。

【技術的指標】

  • Core Web Vitals (LCP・INP・CLS) のスコア
  • ページの平均読み込み時間
  • サーバーの応答時間 (TTFB)
  • CDNのキャッシュヒット率

【ビジネス的指標】

  • 直帰率や離脱率
  • ページビュー数やセッション数
  • 平均滞在時間
  • コンバージョン率 (CVR)

上記の指標はGoogle Analytics・Google Search Console・PageSpeed Insightsなどといった、ツールを利用すれば簡単に計測できます。
無料で使えるツールも多いので、積極的に活用しましょう。

もし、現状の運用で費用対効果が低いと判断された際は、機能やプランの見直しが求められます。
サービスの乗り換えも含め、定期的に検討することが大切です。

Imgixで実現するSEO効果の高い画像配信

Imgixは画像の最適化・ネットワークの高速化・表示速度の改善などによって、SEO対策に貢献できるCDNです。

画像配信に特化しているCDNであり、フォーマット・リサイズ・圧縮などによってコンテンツを最適化し、Webサイトの表示速度を改善できます。

さらに、ImgixはAIを活用したリアルタイム最適化や自動圧縮ができるため、管理側の負担がかからない点も魅力です。
モバイル対応も自動で処理できるため、モバイルフレンドリーなWebサイトの構築に役立ちます。

もちろん、画像だけでなく動画の処理も可能です。

Imgixは料金設定が明確であり、導入のハードルも低いため、多くの企業で活用されています。

また、API統合が簡単にできるうえに、レンダリングやネットワークの分析ができるため、エンジニアからの高い信頼を寄せられています。

ROI向上やパフォーマンス分析にも有用であるため、マーケターにもおすすめできるCDNです。

実際にCDNを導入するうえで、Imgixは有効な選択肢です。
ぜひ、公式サイトで詳細をチェックしてみてください。

まとめ CDNで最適なSEO対策を実現しよう

CDNはWebサイトの表示速度を改善するだけでなく、SEO対策や企業の収益向上にも貢献できる重要なツールです。
UXの向上・検索エンジンからの評価改善・セキュリティ強化などを実現すれば、Webサイトの価値そのものを高められます。

近年は無料プランを提供しているサービスが増加するなど、CDNを導入するハードルは大きく下がりました。
特にImgixのような高性能なCDNサービスは世界的に利用されており、名だたる企業が導入することでWebサイトの改善に成功した実績があります。

本記事を参考に、ぜひ理想的なCDNの導入を実現してください。