「Webサイトの表示速度が遅い」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
表示速度が遅くなる原因の多くは、Webサイトで使用されている「画像」にあります。
この記事では、表示速度に関する悩みを解決する次世代の画像フォーマット「AVIF」についてわかりやすく解説します。AVIFを導入すれば画質を維持したままファイルサイズを劇的に削減でき、Webサイトの表示速度を大幅に改善することができます。
Webサイトのパフォーマンスを最大限に引き出すための一歩を、ここから踏み出しましょう。
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AVIFとは?表示速度改善を実現する4つの特徴
AVIF(AV1 Image File Format)は、GoogleやApple、Netflixなどが加盟するAlliance for Open Media(AOM)によって開発された、新しい画像フォーマットです。
最先端次世代コーデック「AV1」の技術を基にしており、これまでの画像フォーマットの常識を覆すほどの性能を秘めています。具体的には以下のようなメリットがあり、Webサイトの表示速度改善に大きく貢献します。
- 圧倒的な圧縮率
- 高画質で表示速度を改善
- 透過・アニメーション・HDRなど多彩な表現力
- SEO効果|Core Web Vitals改善によるランキング向上メリット
それぞれについて解説します。
メリット①:圧倒的な圧縮率
AVIFが持つ大きなメリットのひとつは、驚異的な圧縮率の高さです。画質を維持したまま、従来のフォーマットより大幅にファイルサイズを削減できます[1]。
Webサイトで広く使われているWebPと比較しても、さらに高い圧縮効率を誇ります。画像のファイルサイズが小さくなるとサーバーからのデータ転送量が減り、ページの読み込み時間を短縮できます。
これは、ユーザー体験の向上と離脱率の低下に直結する重要な要素です。
メリット②:高画質で表示速度を改善
「圧縮率が高いと画質が落ちるのではないか」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、AVIFは高圧縮と高画質を両立できる点が大きな強みです。その理由は、HDR(ハイダイナミックレンジ)などの広いカラー深度に対応しているためです。
従来のJPEGなどが対応するSDR(スタンダードダイナミックレンジ)画像よりも遥かに多くの色情報を保持できるため、より豊かで自然な色彩表現を可能にします。
これにより、ユーザーに与える視覚的な品質を損なうことなくファイルサイズを削減し、表示速度を改善するという理想的な状態を実現できます。
この画質の高さは、Googleが重視するユーザー体験の指標であるLCP(Largest Contentful Paint)の改善にも大きく貢献するでしょう。
LCPについては下記記事にて詳細をご確認ください。
LCPとは?表示速度が遅くなる原因や改善方法などを解説
メリット③:透過・アニメーションなど多彩な表現力
AVIFは、これまで複数の画像フォーマットを使い分ける必要があったさまざまな表現を、たった一つでカバーできる汎用性も備えています。
- 透過処理(アルファチャンネル)
- ロゴやアイコン作成に必須の背景透過ができる
- これは、これまで主にPNGが担ってきた役割である
- アニメーション対応
- 短い動画や動きのあるイラストを表現できる
- GIFアニメーションの代替として、より滑らかで高画質なアニメーションを小さなファイルサイズで実現する
これらの機能をAVIF一つに集約できるため、サイト制作者は画像管理のワークフローを大幅に効率化できます。
メリット④:SEO効果|Core Web Vitals改善によるランキング向上メリット
Webサイトの表示速度は、現在のSEOにおいて極めて重要な要因の一つです。Googleは「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」という指標を用いて、ユーザー体験の質を評価しています。
AVIFを導入して画像のファイルサイズを削減することは、このCore Web Vitalsの中核指標であるLCPの改善に直結します。つまり、ページの読み込みが速くなることでユーザーの直帰率が下がり、サイト内での滞在時間が延びる可能性が高まる仕組みです。
AVIFによる表示速度の改善はユーザー満足度を高めるだけでなく、Googleからのサイト評価を向上させ、検索順位の上昇というSEOメリットをもたらす可能性を秘めています。
Core Web Vitalsの詳細は下記記事もご参照ください。
コアウェブバイタルとは?指標・SEOとの関係性・対策を徹底解説!
AVIF導入前に知るべき2つの注意点と対策

AVIFは非常に優れたフォーマットですが、導入にあたっては事前に把握しておくべき注意点も存在します。これらを事前に把握し、適切な対策を講じれば安心して導入を進められます。
デメリット①:ブラウザの対応状況とフォールバックの必要性
AVIFは比較的新しい技術のため、古いバージョンのブラウザでは表示できない場合があります。
最新の主要ブラウザではほぼ対応していますが、すべてのユーザーが最新版を使っているとは限りません[2]。そのため、AVIF非対応のブラウザで画像が表示されない事態を防ぐために「フォールバック」と呼ばれる代替画像を用意することが必須です。
フォールバックについては、後の「Step2: pictureタグを活用した適切なフォールバック設定方法」で詳しく解説します。
デメリット②:エンコード(変換)に時間が必要
AVIFは高度な圧縮技術を用いているため、JPEGやPNGからファイルをエンコード(変換)する際の処理に時間がかかることがあります。
数枚の画像を変換する程度では気になりませんが、ECサイトのように何万という大量の画像を扱う場合は、エンコード時間が長く感じることがあります。
この課題を解決するためには、後ほど紹介する高性能な変換ツールを利用したり、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の画像最適化サービスを活用したりする方法が有効です。
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【AVIF vs WebP vs JPEG】各フォーマットの比較ポイント

Webサイトの画像フォーマットには、AVIF以外にもWebPやJPEGといった選択肢があります。それぞれのフォーマットには長所と短所があり、サイトの目的やコンテンツの種類によって最適なものは異なります。
ここからは、AVIF、WebP、JPEG、透過処理で使われるPNGの4つを比較し、Webサイトに最適なフォーマットを選ぶポイントを見ていきましょう。
【比較表で一目瞭然】圧縮率・画質・対応ブラウザの違い
各フォーマットの主な特徴を以下の表にまとめました。この表を見れば、それぞれの違いが一目でわかります。
AVIF
- 圧縮率:非常に高い
- 画質:非常に高い
- ブラウザサポート:主要ブラウザで対応
- HDR対応:対応
- アニメーション:対応
- 透過処理:対応
- 適した用途:
・高画質な写真
・HDRコンテンツ
・アニメーション
WebP
- 圧縮率:高い
- 画質:高い
- ブラウザサポート:ほぼすべてのブラウザで対応
- HDR対応:対応
- アニメーション:対応
- 透過処理:対応
- 適した用途:
・写真
・イラスト
・透過画像
JPEG
- 圧縮率:標準
- 画質:写真に適している
- ブラウザサポート:すべてのブラウザで対応
- HDR対応:非対応
- アニメーション:非対応
- 透過処理:非対応
- 適した用途:
・写真全般
PNG
- 圧縮率:低い(可逆圧縮)
- 画質:高い(劣化なし)
- ブラウザサポート:すべてのブラウザで対応
- HDR対応:非対応
- アニメーション:非対応(APNGのみ)
- 透過処理:対応
- 適した用途:
・ロゴ
・アイコン
・透過画像
【用途別】最適なフォーマットの選び方
上記の比較表を元に、Webサイトの目的に合わせた最適なフォーマットを選んでみましょう。具体的なポイントは、以下のとおりです。
- 高画質な写真がメインのECサイトやポートフォリオサイトの場合
- AVIFが最適
- 高い画質を維持しつつ、ファイルサイズを極限まで小さくできるため、商品の魅力を損なうことなく表示速度を改善できる
- 一般的なブログや企業のWebサイトの場合
- AVIFとWebPの併用がおすすめ
- AVIFを優先的に表示しつつ、非対応ブラウザにはWebPでフォールバックさせることで幅広いユーザーに高速な体験を提供できる
- とにかく幅広い互換性を最優先したい場合
- JPEGやPNGも依然として有効な選択肢である
- ただし、表示速度の観点から、可能な限りWebPやAVIFへの移行を検討する
【初心者でも安心】AVIFの導入で表示速度を改善する3ステップ

ここからは、WebサイトにAVIFを導入するための具体的な手順を解説します。専門的な知識がない方でも、この手順に沿って進めれば安全かつ確実にAVIFを導入し、サイトの表示速度を改善できます。
Step1: 画像をAVIFに変換
まず、お手持ちのJPEGやPNG画像をAVIF形式に変換しましょう。現在、ブラウザ上で手軽に利用できる無料のオンラインツールが多数存在します。具体的な例は、以下のとおりです。
- Squoosh: Googleが開発したWebアプリ。ドラッグ&ドロップで簡単に変換でき、プレビューで画質を確認しながら調整できる
- Convertio: 多くのファイル形式に対応したオンライン変換ツール。一度に複数のファイルを変換できる
- CloudConvert: 高度な設定が可能なオンライン変換ツール。品質や解像度などを細かく指定できる
- ImageMagick: コマンドラインで操作するツール。大量の画像を自動で一括処理したい開発者向け
初心者の方は「Squoosh」で試してみるのがおすすめです。直感的な操作で、誰でも簡単にAVIFファイルを作成できます。
Step2: pictureタグを活用した適切なフォールバック設定方法
AVIF非対応のブラウザでも画像が正しく表示されるように、HTMLの<picture>タグを使ってフォールバックを設定しましょう。この記述により、ブラウザは自身が対応している最適な画像フォーマットを自動で選択して表示してくれます。
以下が基本的なコードの例です。このコードをコピーして、WebサイトのHTMLに貼り付けてみてください。
<picture>
<!-- ブラウザがAVIFに対応していれば、この画像が表示される -->
<source srcset="image.avif" type="image/avif">
<!-- ブラウザがWebPに対応していれば、この画像が表示される -->
<source srcset="image.webp" type="image/webp">
<!-- 上記のいずれにも対応していない場合、このJPEG画像が表示される -->
<img src="image.jpg" alt="画像の代替テキスト">
</picture>
このように記述するとAVIFに対応している最新のブラウザでは質の良いパフォーマンスを発揮しつつ、古いブラウザのユーザーを取りこぼすことなくコンテンツを届けられます。
SafariではWebP対応がiOS 14/macOS Big Sur以降・AVIFはiOS 16/macOS Ventura以降となるなど、ブラウザの対応状況には差があるため、必ずこの設定は行いましょう。
Step3: 表示されない原因とブラウザ検証
AVIF画像を実装した後「画像が表示されない」というトラブルが発生することがあります。その主な原因は以下のとおりです。
- ファイルパスの間違い: srcsetやsrcに指定した画像の場所が間違っている
- サーバーのMIMEタイプ未設定: サーバーがAVIFファイルを画像として認識していない
- ブラウザの非対応: 古いブラウザで閲覧している、かつフォールバックも正しく設定されていない
これらの問題を確認するには、Google Chromeの「デベロッパーツール」を活用してみてください。ページ上で右クリックし「検証」を選択、「ネットワーク」タブを開いてページを再読み込みすると、各ファイルが正しく読み込まれているかを確認できます。
読み込みに失敗しているファイルは赤く表示され、原因の特定に役立ちます。
CDNで表示速度改善!ImgixによるAVIF自動最適化という選択肢

手動でのファイル変換や<picture>タグの設定が面倒だと感じる方には、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用する方法がおすすめです。特に、画像配信に特化したCDNサービスである「Imgix」は、画像の圧縮・最適化を強力にサポートします。
Imgixを導入すると、Webサイトにアクセスしてきたユーザーのブラウザ情報を自動で判別し、そのブラウザに最適な画像フォーマットをリアルタイムで生成・配信してくれます。
これにより、サイト運営者はフォーマットの違いを意識することなく、常に高いパフォーマンスをユーザーに提供できます。
初期投資はかかりますが、大規模なサイトや画像の更新頻度が高いサイトにとっては、費用対効果の高い選択肢となりえます。
まとめ AVIFを賢く活用してWebサイトの表示速度を改善させよう

この記事では、次世代画像フォーマット「AVIF」について、その特徴から具体的な導入方法までを解説しました。
Webサイトの表示速度は、ユーザーの満足度に直結する生命線です。AVIFは、その速度を劇的に改善するための強力な手段の一つです。本記事を参考に、WebサイトにもAVIFを導入し、より速く、より快適なWeb体験をユーザーに届けてください。