画像最適化の手法7選!おすすめのツール・サイト・プラグインを紹介

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Taichi Kanemoto
July 1, 2025
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3 minute read

画像最適化は、Webサイトのコンバージョン率やSEOに直結する重要な施策です。

しかし、「具体的にどのように最適化するのか」「工数を抑えて最適化できる方法はないのか」など疑問がある方もいるでしょう。

本記事では、画像最適化の代表的な手法7選と、手法の実践に役立つツール・サイト・プラグインを紹介します。初心者でもすぐに行える画像最適化の方法をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、画像最適化の自動化を検討されている方には、画像・動画の自動設定機能を有するサービス「Imgix」の活用がおすすめです。

画像最適化とは?

画像最適化とは、Webサイトやアプリに使用する画像のファイルサイズをできるだけ小さくしつつ、画質や視認性を損なわないように調整する処理のことです。

Webサイトの表示速度を改善し、ユーザー体験やSEOにつながる重要な施策として広く活用されています。

近年では、AI(人工知能)技術を活用したツールも登場しており、従来手作業で行っていた画像加工の自動化が実現されつつあります。AI搭載の画像最適化ツールの活用により、運用の負担を減らしながら、より効果的な最適化施策を実行可能です。

画像最適化が重要な理由

本章では、画像最適化が重要な理由を紹介します。

表示速度の改善とSEO評価向上

画像が最適化されていないと、Webサイトの表示速度が低下し、ユーザー離脱やコンバージョン率低下につながります

実際、ページ読み込みが1秒から10秒に遅くなるとモバイル訪問者の直帰率が123%増加し、要素数が増えるとコンバージョン率が最大95%低下するとのデータもあります。

出典:モバイルページのスピードに関する新たな業界指標(2017年3月21日)|Google Developers

さらに、表示速度は検索順位にも影響し、速度が遅いとSEOの評価が下がります。

画像最適化により、サイト内のファイル容量が大幅に削減され、ページ全体の読み込み速度が向上します。結果として、ユーザーの離脱率や直帰率の改善、コンバージョン率の向上が期待できます。

さらに、Googleのコアウェブバイタル指標であるLCP(Largest Contentful Paint)の改善にもつながり、SEOの向上にも効果的です。LCPとは、主要コンテンツが表示されるまでの時間のことです。

特に画像が多いECサイトやニュースサイトでは、表示速度とSEOそれぞれにおいて改善効果が見込め、重要な施策とされています。

関連記事:Webサイトの表示速度の改善方法9選!重要性・原因・対策を徹底解説

Webサーバーの負荷軽減

画像が最適化されていないと、サーバーから大量のデータ転送が必要になり、サーバーへの負荷が増大します。アクセス集中時には、Webサイトのレスポンス悪化やサーバーダウンにつながります。

画像最適化によってデータ転送量が削減されることで、サーバーリソースの消費を抑え、安定したサイト運営が可能です。

特にキャンペーン時にサイトパフォーマンスが低下すると、ユーザー離脱や売上機会の損失に直結します。そのため、画像最適化はWebサイトの安定運用と収益確保の観点からも重要です。

ユーザー体験の向上

ページの表示速度はユーザー体験(UX)に直結し、読み込みが遅いサイトはユーザーにストレスを与え、離脱や直帰率が増加します。

一方、画像が最適化され表示がスムーズなサイトは、ユーザーに快適な閲覧体験を提供でき、ブランドイメージの向上につながります。

また、スマートフォン利用が主流の現代では、モバイル回線でも軽快に閲覧できると強みになります。ユーザー目線でWebサイト改善においても、画像最適化は重要な施策です。

Webサイトに最適とされる画像サイズ【Google推奨】

Webサイトに用いる最適な画像のサイズについては、Googleの推奨サイズが一つの目安となります。

Googleが求めるファイルサイズと縦横サイズの目安は、以下のとおりです。

ファイルサイズ
・合計バイトサイズを 1,600KiB未満 に抑える。
・※これは「Time to Interactive(ページが操作可能になるまでの時間)」を10秒以内に収めるために、3G接続を想定した理論上のダウンロード可能データ量に基づく。

縦横サイズ
・サイズの大きな画像は、幅1,200ピクセル以上を推奨。
・max-image-preview:large または AMP を使って、大きなプレビュー表示を有効にする。
・※これは Google Discover 機能でコンテンツが大きく表示されるための条件に関わる。

参照:過大なネットワーク ペイロードの回避|chrome for developer、Discover とウェブサイト|Google 検索セントラル

今後新しい情報が公表される可能性もあるため、Googleの情報を適宜チェックしておきましょう。

画像最適化の主な手法7選

ここからは、近年流行りのAI手法を含む、画像最適化の手法を7つ紹介します。

1.ファイル形式の最適化とAI自動判定

JPEG・PNG・WebP・AVIFなどの画像形式にはそれぞれ適した用途があり、目的に応じた選択が必要です。

  • JPEG:写真やグラデーションの多い画像向き
  • PNG:透過が必要なロゴやアイコン向き
  • WebP:高画質かつ軽量な画像向き、幅広い用途に対応
  • AVIF:さらに高圧縮・高画質な最新フォーマット向き、最新ブラウザ向け

近年はAIが自動的に最適なフォーマットを判定し、コンテンツごとに最適化を行う仕組みが広まりつつあります。

AI画像最適化により、画像ごとに最適な形式変換を自動化でき、従来の手作業による選別の手間を省けます。

2.AIによる自動リサイズとトリミング

WebサイトはPC・スマートフォン・タブレットなど多様なデバイスに対応する必要があり、画面サイズや解像度に応じた最適な画像サイズの提供が求められます。

近年、AIによるリサイズとトリミングの自動化が進められています。具体的には、ユーザーの閲覧環境に応じた画像サイズを自動算出し、レスポンシブ対応用に複数サイズの画像の自動生成が可能です。さらに、画像内の被写体や主要な構図要素を認識し、重要な部分を損なわないよう自動でトリミングまで可能です。

例えば、スマートフォンでは顔や商品がしっかり見える構図、PCでは背景を含んだ広い構図など、デバイスごとに最適な画像表示が容易に実現できます。

結果として、サイト全体のデザイン品質向上につながります。

3.高度な圧縮技術と機械学習最適化

画像の軽量化には、高度な圧縮技術を活用すると効果的です。例えば、次世代フォーマットのWebP・AVIFによる圧縮や、画像内容に応じた可変圧縮といった手法が挙げられます。

従来、画質とファイルサイズのバランスは、手作業で調整する必要がありました。しかし近年は、機械学習によって自動最適化が可能になりつつあります。

AIは画像の内容や用途に応じて最適な圧縮率や圧縮手法を自動選択し、画質を維持しつつ、ファイルサイズを最小限に抑えることが可能です。従来よりも高品質な画像をより小さなサイズで提供でき、Webサイト全体の表示速度やパフォーマンス改善が期待できます。

さらに、AIは圧縮結果の品質に対する自動評価も可能です。視覚的に違和感のない範囲で最適な圧縮を反復学習・改善し、圧縮品質を継続的に向上できます。結果として、運用の効率化も実現できます。

4.レスポンシブ画像対応

UX向上のためには、画面サイズや解像度に応じた最適な画像を配信することが欠かせません。

基本は、HTMLの<img>タグにsrcset属性を指定し、ブラウザがユーザーのデバイスに最適な画像を自動選択して表示する方法です。

モバイル端末に不必要に大きな画像が送信されるのを防ぎ、表示速度の改善と通信量の削減につながります。

5.レイジーローディング(遅延読み込み)の設定

レイジーローディングとは、ユーザーが画面をスクロールして画像が表示領域に入ったときにのみ画像を読み込む手法です。初回ロード時に画面外の画像まで一括で読み込むことを防ぎ、表示速度を改善させます。

レイジーローディングは、HTMLの`loading="lazy"`属性やIntersection Observer APIで実装できます。

ユーザー体験の向上とサーバー負荷軽減の両面でメリットがあるため、初期段階で検討したい施策です。

6.CDN連携による高速配信

通常、オリジンサーバーからの画像配信は距離により通信遅延が発生し、表示速度やユーザー体験に影響します。

この問題を解決するのがCDNです。世界各地のエッジサーバーから最短ルートで画像を高速配信し、遅延を大幅に低減できます。

特に、グローバル展開するコーポレートサイトやECサイトには不可欠な施策です。

関連記事:KW「cdnとは

近年新たに注目される「画像最適化AI」とは

近年、深層学習技術やChatGPTをはじめとする生成AIの発展はめざましく、画像最適化の分野にもAI技術の活用が広がりつつあります。

画像最適化AIとは、画像に特化したディープラーニングや生成AIを活用し、画像のリサイズや形式変換、圧縮などの最適化処理の自動化を目指す技術です。大量の画像データを学習したAIが、ユーザーが入力した画像のパターンに応じた最適な加工・補正方法を自動で判断・適用する仕組みです。

画像最適化AI活用により、画像ごとに最適化手法を選択する必要がなくなり、従来の画像処理を効率的かつ的確に実現できます。

AI画像最適化が解決する3つの課題

AI画像最適化は、以下のような従来の課題を解決すると期待されています。

  • 大量画像の一括処理自動化
  • 最適なファイル形式の自動判定
  • 画質とファイルサイズの最適バランス

特に、AI画像最適化は自動化処理に優れている点が大きな強みです。最適なファイル形式や画質、ファイルサイズをAIが自動で判断するため、画像最適化のノウハウがなくても簡単に最適な画像を生成できます。

AIを活用することで、作業の効率化とユーザー体験の向上の両立が実現でき、サイト運用全体のパフォーマンス向上につながります。

主要なAI機能

近年の画像最適化AIは、従来の画像処理機能に加え、生成AIならではの高度な機能にも対応しています。

それぞれの代表的な機能は、以下のとおりです。

【基本的な画像処理】

  • 画像のリサイズ
  • 圧縮
  • フォーマット変換
  • 背景の除去
  • トリミング
  • 色補正

【生成AI特有の機能】

  • テキストからの画像生成
  • 画像から動画生成
  • 既存画像の補完
  • 背景の合成
  • オブジェクト除去や追加

基本的な画像処理は、Webサイトの表示速度改善や画像の高品質化に不可欠な機能です。

一方、生成AI特有の機能はマーケティング用途のビジュアル作成やECサイトの商品画像強化など、よりクリエイティブな加工を実現する機能です。


単なる圧縮や変換にとどまらず、クリエイティブな画像制作も一つのツールで可能になりつつあります。

画像最適化のやり方

本章では、代表的な画像最適化の方法を紹介します。

API・SDK統合

自社開発のWebサイトやアプリケーションでは、画像最適化のREST APIやJavaScript SDKを統合することで、既存の開発フローに柔軟に組み込めます。GitHubで公開されている実装例を参考にして導入できます。

サーバー側で動的に画像最適化を行う仕組みも構築可能なため、ECサイトやメディアサイトなど更新頻度が高いサイトで適した方法です。

CMS・プラグインを利用(WordPress)

WordPressを利用している場合は、EWWW Image OptimizerやSmush、WebP Converter for Mediaなど、専用の画像最適化プラグインの活用がおすすめです。

多くのプラグインがボタンのワンタッチ操作で最適化を実行でき、非エンジニアでも扱いやすい仕様となっています。

そのため、開発担当者の工数を削減しつつ画像最適化をしたい場合や、Web制作・マーケティング担当者がサイトを管理する場合に向いています。

クラウドサービス連携

近年Imgixのような、画像最適化とCDN配信を組み合わせたCDN統合型のクラウドサービスも増えています。

クラウドサービスでは、特別な設定や複雑な実装を行わずに、画像最適化と高速配信が同時に実現できます。

そのため、グローバルサイトや大量アクセスのあるメディアサイトなど、高速配信と画質維持を両立したい場合に特に有効です。

画像最適化ツールの選び方

画像最適化ツールを選定する際は、ツールの機能性やコストなどを総合的に評価することが重要です。

具体的な比較ポイントは以下のとおりです。

機能面
・AI対応度
・一括処理能力
・API連携の可否

運用面
・クラウド or オンプレミス
・導入の容易さ

コスト面
・初期費用の有無
・従量課金 or 定額制

セキュリティ面
・SOC2準拠
・GDPR対応

サポート面
・技術サポート体制
・ドキュメント充実度

各ポイントを重視し、自社のニーズにもっとも適したツールを見極めましょう。

画像最適化におすすめなツール・サイト4選【無料あり】

本章では、画像最適化におすすめなツール・サイトを4つ紹介します。

1.iLoveIMG

出典:iLoveIMG

iLoveIMGは、簡単な画像圧縮・リサイズ・フォーマット変換を手軽に行えるオンラインの無料画像編集ツールです。いずれの機能もドラッグ&ドロップの簡単操作で、初心者でも直感的に扱えます。

プランは無料のベーシックプランのほか、月額525円~のプレミアムプラン、ビジネスプランを提供しています。

2.VanceAI

出典:Vance AI

VanceAIは、超解像技術を持つAI搭載の画像・動画最適化ソフトです。

高画質化・ノイズ除去、背景除去・画像拡大・写真復元・イラスト化など多彩な機能を提供しています。特に高解像度化に強みを持ち、近年は動画加工機能を強化しています。

REST APIを完備し、業務フローへの組み込みも容易です。

有料プランは月額約650円〜で、無料のトライアル・オンラインサイトも選択できます。

3.CloudFlare

出典:Cloudflare

Cloudflareは、リアルタイム画像変換とCDN統合機能を備えた高速画像配信サービスのCloudflare Imagesを提供しています。

画像の圧縮・変換・リサイズを自動で行い、最適化された画像を世界中のCDNから高速配信が可能です。

料金は月額$20〜利用可能で、REST APIも完備しています。

4.Imgix

Imgixは、高度なリアルタイム画像変換とAI搭載機能を備えたCDN統合型の画像・動画最適化サービスです。

生成的画像処理機能では、画像補完や背景置換、オブジェクト除去といったAI機能に加え、テキストから画像生成や画像から動画生成など生成AIならではの機能も提供しています。

REST APIと各種SDKを完備しており、柔軟なカスタマイズと高い拡張性が魅力です。

料金プランは、入力できる画像数や機能が異なる5つのプランを提供しています。有料プランの料金は月額$75〜です。

画像最適化の成功事例

実際に、Webサイトの画像最適化により、UXの改善やスムーズな記事公開に成功している企業もあります。

本章では、画像最適化サービスImgixを活用し、画像最適化を行った2つの事例を紹介します。

20万枚の画像最適化を自動化しUX改善【テレビ東京】

テレビ東京コミュニケーションズは、画像最適化の不足が原因で、番組放送直後のアクセス集中によるページ表示遅延やUX悪化に悩んでいました。

そこで、既存の20万枚以上の画像を活用しつつ自動最適化が可能なImgixを導入しました。軽量フォーマットへの自動変換や圧縮により表示速度が大幅に改善あらゆるデバイスで快適な視覚体験を実現するとともに、年間20日分の開発工数削減にも成功しました。

事例紹介ページ:画像処理の効率化で年間20日分の工数を削減し、ページ速度とUXを大幅に改善

画像最適化の自動化で配信スピードを劇的に向上【The New Republic】

The New Republicは、画像の手作業により公開の遅延リスクを抱えていました。

そこでImgixを導入。自社CMSと連携し、編集者がリアルタイムで画像調整可能な体制を構築しました。その結果、開発チームの負担が軽減され、迅速な記事公開が実現しました。

さらに、Google検索でのクリック数が176%増加、クリック率が33%向上するなど、エンゲージメント改善を実現しています。

事例紹介ページ:The New Republicが Imgixで編集業務の効率化とSEOを強化。画像最適化の自動化で、配信スピード・品質・検索パフォーマンスを劇的に向上

画像最適化を行う際の注意点

Webサイトにおける画像の最適化を進める際、特に考慮が必要なのは以下3つです。

  • 元画像のバックアップを取る
  • できる限り自動化を目指す
  • 画質やデザインとのバランスを考慮

画質やデザインとのバランスを考慮することは、最適化において特に重要です。

圧縮率を上げすぎると画像が荒くなり、内容が見えにくくなります。特に商品画像やブランドビジュアルはサイトの印象に直結するため、画質とファイルサイズのバランス調整が欠かせません。

表示速度を優先するあまり画質が低下すると、ユーザー離脱を招くリスクがある点にも十分注意しましょう。

まとめ 画像最適化でより快適なサイトを実現

画像最適化は、Webサイトの表示速度改善やユーザー体験の向上に欠かせない施策です。AI画像最適化を活用することで、大量画像の一括処理や最適なファイル形式・画質バランスの自動調整が簡単に行えます。結果として、従来の手動による最適化よりも、作業効率と品質向上を同時に実現できます。

ビジネス用途では、目的に応じた最適な画像最適化ツールを選ぶことが大切です。画像最適化ツールを検討される方は「Imgix」へご相談ください。